依田一義のエネルギーコラム ~東芝・アルカリ水電解式の水素製造装置を開発~
東芝は14日、1時間で燃燃料電池車(FCV)2台分の燃料にあたる水素を製造できるアルカリ水電解式の水素製造装置を開発したと発表した。同社の調べでは、アルカリ水電解式で国内最大の水素製造能力があるという。今年度中にも水素ステーションを取り扱う事業者向けに販売する。
アルカリ水電解式の水素製造装置は電極基材に貴金属を使用していないため、他方式よりも低コストで大型化できる特徴を持つ。東芝は自社の整流器や水素精製技術を水電解技術と組み合わせることで、装置を大型化しても全体のエネルギー効率を低コストに抑えられることに成功した。
今後は環境省からの委託事業で同装置を使った実証実験を行い、今年度中に実用を目指す。国内外で水素を燃料とした電池やFCVなどの活用が見込まれており、東芝は同装置の販売を拡大したい考えだ。価格は量産段階で2億円を想定している。
依田一義の不動産コラム ~2016年上半期・首都圏の新築マンション発売戸数~
不動産経済研究所が14日発表した2016年上半期(1~6月)の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンション発売戸数は、前年同期比19.8%減の1万4454戸と約2割減少した。上半期としては、バブル崩壊期の1992年以来、24年ぶりの低水準となった。
1戸当たりの平均販売価格は8.2%アップの5686万円と4年連続で上昇し、バブルの影響でマンションが高騰していた91年(6450万円)以来の高水準となった。
また物件発売月の契約率は1~6月平均で68.4%にとどまり、09年以来7年ぶりに好不調の目安とされる70%を割り込んだ。同研究所は上期のマンション発売減少について、人件費高騰などを背景にした物件価格の高止まりで販売が伸び悩む中、売り手が一部物件の発売時期を延期していることなどが原因とみている。
【依田一義今日の不動産コラム:「(仮称)OH-1計画」にフォーシーズンズホテルが出店】
三井物産と三井不動産が東京都千代田区大手町1に建設中の再開発ビル「(仮称)OH-1計画」にフォーシーズンズホテルが出店することが12日明らかになった。2020年春の開業を目指す。
ビルは、皇居に面した三井物産ビル、大手町パルビル、大手町1丁目三井ビルディングの3棟を解体し、オフィスを中心とした高さ160メートルのA棟(地下5階、地上31階)と200メートルのB棟(地下5階、地上39階)のビル2棟(延床面積約36万平方メートル)を建設する計画で、5月18日に着工されている。フォーシーズンズホテルはB棟の34~38階に客室約190室と39階にロビーを整備する計画となっている。
フォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツのアレン・スミス社長兼CEOは「東京の中でも最高のロケーションのひとつに立地するランドマークとなるホテルです。東京を訪れる特に富裕層のゲストの皆様に必ずやお応えできると確信を持っていえる魅力的なホテルとなるでしょう」とコメントしている。
依田一義のエネルギーコラム ~関西不二サッシに太陽光発電設備を設置~
不二サッシは2016年7月1日、千葉県市原市にある同社の千葉事業所と、グループ企業である関西不二サッシ(大阪府高槻市)に、太陽光発電設備を設置したと発表した。それぞれ再生可能エネルギーの固定買取価格制度を利用して売電する。
千葉事業所の屋根に総出力1.375MW(メガワット)の太陽光発電システムを設置した。出力250W(ワット)のモジュールを5500枚配置している。年間発電量は一般家庭360世帯分を見込んでいる(図1)。なお、千葉事業所では2014年3月から「第1発電所」が稼働している。今回稼働した「第2発電所」を合わせると、屋根置きタイプとしては市原市最大のメガソーラーになるという。
関西不二サッシも同じく事業所の屋根に出力327Wのモジュールを3144枚配置し、総出力1.03MWのシステムを導入した。年間発電量は一般世帯約300世帯分を見込んでいる。
今回設置した2つの発電システムはどちらも設計・施工をオムロンフィールドエンジニアリングが担当した。発電システムには接続箱単位でパネルの異常を検知するなどの運用保守サービスも導入している。
既設の事業所に新たに発電設備を設置するにあたり、それぞれの生産工場棟の特性に対応した耐震補強工事も実施している。千葉事業所ではアウトフレーム式、関西不二サッシではスチールプレート式の耐震補強を行った。不二サッシはこれにより再生可能エネルギーの活用だけでなく、同社の東西の基幹工場における事業継続計画(BCP)活動も前進したとしている。