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依田一義の不動産blog

依田一義がお送りする住宅に関するあれこれを綴るブログです。

依田一義のエネルギーコラム ~太陽光発電システム搭載住宅~

積水化学工業では、1997年以降太陽光発電システム(PV)搭載住宅を積極的に展開。2003年に光熱費ゼロハイム、2012年には大容量PV、蓄電池、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の3点セットを標準搭載した「進・スマートハイム」を発売。2013年に標準的な規模の建物でもゼロエネルギー(使用エネルギーゼロ)を実現できる「スマートパワーステーション」シリーズ、2014年には電気自動車と連携した「VtoHeim」シリーズを投入するなど、スマートハウス分野に積極的に取り組んできた。

今回の調査は、これらの導入実績を元に、2014年1~12月に入居済みの太陽光発電システム搭載セキスイハイムのうち、3078邸の2015年1~12月の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析を行ったものである。

 

  • 独自の「家電込みゼロエネルギー」を設置

家庭での電力消費量の削減については、2020年から標準的な新築住宅においてZEH(ネットゼロエネルギーハウス)が義務付けられるなど、大きな注目を集めている。

ZEHは、2015年12月に「ZEHロードマップ検討委員会」により、ZEHの定義が明確化された。定義としては「運用時ではなく設計時で評価する」とされ、また、ZEHの判断基準の条件となる基準一次エネルギー消費量、設計一次エネルギー消費量の対象は「暖冷房、換気、給湯、照明とする」(家電消費量は含まない)などとなっている。

一方で積水化学工業では、2010年から「PV搭載住宅の電力量収支実邸調査」を実施してきた。これはPVの運用実績によりその貢献度合いを推し量るものだが、ZEHの定義前から行っていたため一部で定義が異なる点が存在する。異なる点は「運用時の評価」と「家電も含めたエネルギー収支」(=家電込みのエネルギー収支)で、「運用時の評価」には「家電込みのエネルギー収支」が不可欠のため、今回の同社調査では国のZEH判断基準の定義に準拠した評価と、当社独自の「家電込みエネルギー収支(運用時)」による評価を加えて実施している。具体的には「家電込みゼロエネルギー」「ZEH相当」「Nearly ZEH相当」「非ZEH」の4つの区分でゼロエネルギー達成度を評価している※)。

※)ZEH相当、Nearly ZEH相当とも、国のZEH判定に使う計算式を準用。また、今回の調査では家電消費電力を分離して測定できていないので、省エネルギー基準における家電消費電力相当(120平方メートル以上の住宅で年間2173キロワット時)を使ってゼロエネルギー達成度を計算

 

  • ZEH相当以上のゼロエネルギー邸が59%に

調査結果によると使用する家電を含めた「家電込みゼロエネルギー邸」が前年比から15%増え32%に拡大。またZEH相当邸が27%(前年30%)となり、ZEH相当以上の世帯が59%に達していることが分かった。この数値は47%だった前年に比べ12%の増加となる。

 

  • 家電込みゼロエネルギー邸は年間光熱費収支が約17万8500円プラスに

ZEH相当以上の世帯は1826邸となり家族数の平均値は3.4人となった。この数値は前年と同じである。中央値を見てみると、PV搭載容量5.94㎾(キロワット)、発電電力量6984㎾h(キロワット時)/年、消費電力量6708㎾h/年となり、電力量収支はマイナス276㎾h/年となった。このうち、家電込みゼロエネルギー世帯は978邸で、家族数の平均値は3.4人(前年は3.1人)、中央値はPV搭載容量7.92㎾、発電電力量9073㎾h/年、消費電力量6177㎾h/年となり、電力量収支はマイナス2896㎾h/年となっている。

光熱費に換算すると「ZEH相当以上邸」の中央値は、売電で電力量5363㎾h/年、収入19万8431円となった。また、買電で電力量5087㎾h/年、支出10万9371円となり、光熱費の収支はプラス8万9061円となる。「家電込みゼロエネルギー邸」の中央値は、売電で電力量7501㎾h/年、収入27万7537円。また、買電で電力量4605㎾h/年、支出9万9008円となり、光熱費の収支はプラス17万8530円となったという。

ZEHなど環境対応住宅は環境性能などに注目が集まるが、それだけでなくユーザーの収益面でも高パフォーマンスが発揮されていることが明らかとなっている